七 転 八 倒

笑って許してやってくれっ… 寛容な精神で…!

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なんだこの達成感

漫画ロワ(完結)一週間かけて読んだ。
ずっと画面の字追ってたら目が拒否反応起こしたお…><
最後まで熱い展開でものっそ面白かった。
このロワ、アカギ(19)が出てるんだけどアカギがなんともいい仕事してましてね。

漫画ロワに出てくるキャラの3分の1くらいしか原作読んでなくて
3分の1は名前知ってる程度で、3分の1は名前すら知らなかったけど、
キャラクターが生き生きしててえらい感情移入できた。
んでSSのクオリテイが高くて面白かった。

以下拍手返信
「飼い犬」についての感想ありがとうございますっ…!

>はじめまして!いつもオンオフ共に の方

ありがとうございますっ…!
描き始めてるといってもまだ表紙ができたとこあたりで、内容は完全にまだこれからなんですけどね~
坊ちゃんはカイジさんに頭が上がらなかったらいいと思うんだ
天然タラシのカイジさんって言葉にフイタwww
赤木さんの話も読んでいてだけて僥倖っ…!
頑張りますっ!
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明日(というか今日)は休み

バトロワに投下した黒沢のSS
感想レス読んで嬉しくて踊ってました。
そしたら腰がだるくなった。運動しないから腰の筋肉が日に日にだれていきます。

今日は裏ブログ更新。ボツ表紙。
またボツじゃないほうが完成したら裏に上げます…。
うむ、いいかげん寝よう。

7本目。

バトロワSS7本目。
今回は黒沢っ…!

以下反転して読めます、バトロワSSなだけに福本漫画のキャラクターが死んでしまってたりしますので、苦手な方は読まないで下さいね~

「埋葬」

***1

黒沢は美心の亡骸を抱え、暗い森の中を彷徨っていた。
美心を埋葬するのに適した場所を探す為。
胸中にあるのは悲しみ…!ふと気を抜くと、激情が再び体の内で暴れだす…!

「……ウオオオオオ…!」
黒沢は咆哮をあげ、美心を抱いたままその場にうずくまる。
先ほどから何度、こうして悲しみに支配されたか分からない。
後悔…! 圧倒的後悔っ…!

…彼女の傍を離れるなら、何故…、家具の陰やクローゼットの中に美心に隠れるよう言わなかったのか。
そうすればやり過ごせていたかもしれぬ。
自分のほうが先に殺人者と遭遇していたかも知れぬ。そうすれば救えていたっ…!きっと…!

悲しかった。ただ、ただ、悲しかった。
顔を涙と鼻水でぐちょぐちょに濡らしながら、黒沢はひたすら泣いた。

放送で美心の名前が読み上げられたときも、その場に泣き崩れた。

…そうして、しばらく経って激情が収まってくると、黒沢は再び立ち上がり、のそりと歩き出す。
別荘を出てからずっとこの繰り返しだった。

どのくらい歩いただろう。
森の中でふと、鼻につんとくる香り。磯の香り。黒沢は足を速めた。

視界が開けた。
海だ。
海は見えたが数十メートル下…断崖絶壁になっている。

海からの風が頬をなでる。泣き腫らした目に夜風が当たり、ひりひりする。
遠くを見つめる。
島一つ見えやしない。見えなければ、泳いでどこかの島まで逃げ切る、なんて行動も起こす気になれない。

美心の亡骸に目を落とし、思った。
この見晴らしの良い場所に埋葬するなら、せめてもの慰めになるのではないかと。
美心の顔を見つめる…その顔が涙で滲んで揺れた。

***2

黒沢は海から目をそらし、もと来た道を振り返った。
数歩戻ったところに、ふと白いものが光って見えた。
木の根元で点々と白く光って見えたそれは、小さな花だった。
こんな日の当たりにくい場所でも、健気に咲いている。

黒沢は木の根元を掘り返していた。花にはかからぬように気をつけながら、土を掘りだした。
黒沢の持っていた支給品…小さな金属のシャベル。
こんなことに使いたくなかった。こんなことにしか使い道のない…だが、今は有難い支給品。
シャベルが小さいなら数だっ…!その分手を動かせばいいっ…!
黒沢は無心になって堀り続けた。

ようやく、女性を一人埋められるくらいの穴ができた。
地面の窪みに美心をそっと横たえる。

「無念だったろう…!」
黒沢は美心に語りかけた。

「美心さんも…、たぶん何かの目的があって参加していたはず…。
このゲームが殺し合いだなんて、オレと同様、聞かされてなかっただろうが…。
こんなところで死ぬのは…無念だっただろうっ…!」
黒沢は美心の手をとり、語りかけた。美心の指はすっかり冷えきっていた。
大粒の涙が美心の指を濡らす。

ふと考えた。この女性が参加する目的は…何だったのか…?

美心の体に土をかけた。
足のほうから順番にかけていった。だが、顔の周りになると、手が止まる…。
自分を愛してくれた女性…!初めて好きだと言ってくれた相手…!

ようやく土をかけ終え、分厚い手で土を平らにならした。
合掌する。
本当なら親元に帰してあげたいが、叶わぬこと…。不甲斐無い男ですまんっ…!美心さん…!

***3

汗だくになった額を手の甲でぬぐいながら、海のほうに向かって座り込む。
これからどうする…?
美心さん…、いや、美心がいなくなってしまって、心の支えが無くなった…!

ふと、先ほど感じた疑問を思い出す。

何だ…?美心が参加した目的は…?
できれば、美心の無念を晴らしたい…!せめて…!
黒沢は腕を組んで考えた。推理だっ…! 今だけ憑依しろっ…!コナン君…!

黒沢は腕を組んだままうろうろと歩き回った。
が…駄目っ…!
なんにも思いつかないっ…!
道中何を話したんだっけか…。ずっと不安で、ろくに互いのことも話さなかったな…!
もっと色々聞いときゃ良かった…!
オレも…何でもいいから話しときゃ良かった…!穴平のこととか…太郎とか…スーパーカップのこととかっ…!

ふと、美心の持っていた支給品のデイバックを漁る。
藁をもつかむような思いだった。美心が黒沢を頼っていたように、黒沢もまた、美心の存在を心の支えにしていたのだった。

美心のデイバックから出てきたものは、通常支給品と、小さなラジカセ。
ラジカセはずいぶん旧式の代物だった。
(おお…今どきカセットテープだっ…)
ふと見ると、中のカセットテープは少しだけ進んでいる。
「?」

そのとき、黒沢に圧倒的閃きっ…!
もしかしたら…!

黒沢は震える指で撒き戻しボタンを押す。
キュルキュルと音が鳴り、音が止んでから再生ボタンを押す。

数秒間の雑音…、その後、小さくか細い声が流れた。美心の声だっ…。

「カイジ君…」

ブチッ
手は停止ボタンを押していた。

***4

え…? え…? え…?
カイジ君…?

黒沢は動揺したのだった。美心の声で別の男の名前が呼ばれたことに。

これが録音されたのはたぶん…公衆便所…。
美心に出会う直前…。オレが強烈な便意を感じ、便所に駆け込む前…。
ゲームが始まったばかり…こんな状況で録音する内容は…きっと重要なメッセージ…!
それも、美心にとって最も重要な人物に対しての…!
そして、その人物はこのゲームに参加しているっ…!
………もしかして、恋b

「いやいやいやっ…!それだけはないっ…!絶対無いっ…!!
美心が二股なんてするはずないっ…!!
もし本当に恋びt…なら、オレのことを好きになった、などというはずがないっ…!!」

黒沢は思わず声を上げていた。
心が美しいから…オレの美心は…!

「つまり…このカイジ君ってのは、兄弟か親戚っ…!
だから美心にとっては重要人物…!身内だから…!
…例えば、幼少の頃生き別れた兄弟…! その兄弟を救うため、美心は勇気を振り絞り、単身ここにやってきたっ…!」
黒沢の中でどんどん話がドラマティックに盛り上がる。

「そうだっ…!大事な身内に残したメッセージなら、届けてやらないとなっ…!
…だが、どうやってカイジ君を探す…?
………………。
身内だとしたら…、美心によく似ているんだろうか、やはり…?」

あのつぶらな目…、立派な鼻…、愛嬌のある、大きな口元…!
そうだっ…!きっとそうに違いないっ…!

「よしっ…探すぞっ…身内のカイジ君を…!
それで必ず…このメッセージを伝えるっ…!
言わば…オレはメッセンジャー! 正義の味方、メッセンジャーっ…!」

………色々な勘違いはあるものの、黒沢は、こうして今後の方針を決めた。
だが今は夜…体を休める…。そして、夜が明けてから行動するっ…!

***5


【B-7/崖沿い/夜】

【黒沢】
 [状態]:健康、やや体力消耗
 [道具]:不明支給品0~4 支給品一式×2 金属のシャベル 小型ラジカセ
 [所持金]:2000万円
 [思考]:今は体を休める 美心のメッセージをカイジ君に伝える カイジ君を探す
※メッセージは最初の部分しか聴いていません。
※美心に似ている人物を探そうと考えています。

これは牌クオリティ

動画はアニメのMADも手書きのもパチンコ動画も色々見ます。
パチでカイジ『沼』ってのが出るらしいですよ。PVかっこよかった。
まぁ打たないんだけどね、PV見るのは好きです。

PVのアド貼っときます。
【パチンコPV】CR弾球黙示録カイジ~沼~(高尾)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6400061


↑あとこれはなんというか…Sっ気ないのに内なるSっ気を呼び覚まされると言うか


↑すごいかっこいい

【手書き】福本でiPod CM踊らせてみた。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm6296268

【アカギMAD】年相応のアカギ 第4話

http://www.nicovideo.jp/watch/sm6287080

ワwwwシwwwズwwwwwwww

今月の近麻オリジナル…
読む機会があったら是非読むといいよ…!

某スレで「このワシズは『すごいよ!ワシズさん!』って改題しても違和感無えな」とか
「『ムダヅモ』よりも斜め上の展開だった」とか色々評判だっただけある…
今日読んだんだけどもう面白すぎてね…あの絵でギャグ満載ですんげシュール…

(『ムダヅモ』=『ムダヅモなき改革』近オリで連載してる他の漫画。日本や外国の政治家が実名で出てくるけど内容がとんでもなくぶっ飛んでる。一冊単行本出てる、今近オリで番外編やってる。ギャグマンガとしてオススメ。麻雀知らなくても全然読める。)

感謝感激

夏コミ用ネームを描きたいのにどうも腑抜けてしまっております。
手が動かない…。今日は休みだったのになぁ…。
こういうときは何か燃料…!描こうってなるための原動力…エネルギー…!
というわけで近代麻雀オリジナルを通販してみる、さっきポチった。
いや、なんか今月のワシズは特に面白いらしいですよ…某スレで大評判。

近麻本誌は無事ゲット。近所のセブンイレブンにまだ置いてある…福本関係のペーパーバックもほとんどそこで買えたし、オレにとって優秀すぎる…あのお店。

以下拍手返信、バトロワ関係の感想僥倖…!圧倒的感謝…!

>福本ロワから二次創作に興味を持ち の方

見つけてくれて…ありがとう…!
拍手コメントくれて…ありがとう…!
ホント嬉しいです。
福本バトロワを知ったのが半年くらいかな…
それからはもうバトロワの虜です。
好きなのが高じて、SS書いたりイラスト描いてみたり、漫画描いてみたり。
読み手さんありがとうございます。
あなたがいるから頑張れるっ…!

ねむ…

福本バトロワ絵板に漫画を3Pかいて投稿してみた。
(3Pとは三人でセックsページが3枚分という意味です。)
3Pでまとめたわけでは決してなく、一つのSSのクライマックス部分だけなのでね…。
バトロワSS漫画、もっとちゃんと描いてはみたいけど、量が圧倒的膨大なうえに今現在スレではまだ一日しか経ってないのです。
下手したら完結に10年かかるかも知れません。それは怖いのでSSもちょこちょこ書こうと思います。
アクセス規制に泣く…orz 数日前まではカキコできたんよ…?

わっしー大勝利(主人公は誰だ的な意味で)

今月のアカギ(というかもう内容ほぼワシズ)大変面白かったです。
特に「君達とは違うんですっ…!」発言。
自分のことは客観的に見られるんですっ…!あなたたちとは違うんですっ…!

ついでにあのコマで「人がゴミのようだっ…!」とか言って欲しかったです。

仕事行く前に立ち読みして、夜買おうと思ってコンビニ寄ったら近麻もうなかった。無念…無念だ…!

ところで、SSについての感想をいただけることが珍しいので興奮しましたよありがとうございます>拍手コメントくれた方
以下拍手返信

感想ありがとうございますなんか泣けてきた
自分だと面白いのかどうか、よくわからなくなってたので。
自分のことを客観的にはなかなか見れません。
ワシはまだまだですよ~。なんか色んなことに首つっこみたがりで
色々手を出してますが、まだまだ…。
文章力がもっと欲しいです。

さて、「手足」の続きと言うことですが、すごく読みたいです。
一時投下スレで投下されるんですね?楽しみにしています。
投下されたら感想書きますね!
最近バトロワスレの雰囲気あんま良くないですが、
投下を続けることでまた良いスレになることを信じているのです。

バトロワスレのことで、語りあえる人が欲しかったので
コメントいただけて嬉しかったとです。
よかったらっ…またメールとかいただけると…嬉しいですっ…!

ふう…

バトロワSS6本目。アカギ、カイジ、沙織。

※注意※
SS=サイドストーリーのこと。
バトルロワイアルSSなのでキャラ同志が殺し合いしてます、苦手な人注意。
以下反転で読めます。リレーSSなのでこれだけだと良くワカランと思います。
興味もたれた方はまとめサイトへ…
http://www31.atwiki.jp/fukumotoroyale/

「陰陽」

***1

月。 満月。
光は降り注ぎ、木々の下に影を作る。
月明かりを頼りに、また月明かりのためにできた影にひっそりと紛れ、足音を立てぬよう歩く一組の男女。
沈黙。時折、微かに風が葉を揺する音。

「…大丈夫?」
周囲を気にして、小声で女のほうが男に話しかける。
男のほうは、相手にはっきりと伝わるよう心がけながら頷いた。

左足の傷は痛むが、なんとか歩行はできる状態である。
ただ…今の状況、ずっと外を歩き回る現状、できれば早く手当てをしたい。

沙織とカイジの二人は元いたアトラクションゾーンから離れ、禁止エリアのホテルを右側から迂回するように南下していた。
二人はバトルロワイアル…この馬鹿げたゲームが始まってからこっち、アトラクションゾーン周辺からあまり移動していない。
近くが禁止エリアとなったのでできるだけ離れるため、また、つい先ほど経験した忌まわしい事件の感触から逃れたいために、
足を踏み入れていない地区のほうへと歩いていたのだった。
歩いているうちにそれなりの隠れ家…身を隠し、一時的にでも休むための場所が見つかるかもしれないという希望を胸に。

道中、行く先を決めたのは沙織だった。
彼女は、どこか吹っ切れたようだった。一種の諦観というべきか。
ただ守られることだけを考え怯えるのではなく、生きるために、その可能性を少しでも高めるために行動する、
その決意は背中から、また歩き方からもはっきりと伝わってきた。

方針を決めたのはカイジだった。
仲間を増やす、そのためには無茶な行動に出るのではなく、相手をよく観察して慎重に行動する。
…もし敵…また有賀のようなマーダーに出会ったら二人で退治…する…。

***2

(……いや、退治じゃない。ごまかすな)
カイジは、心の中でさえぼかした表現を使おうとする自分に苛立った。

(殺人だ。人殺しだ。言い逃れはできない)
言い訳などできぬ。自分に嘘をつき続けることなどできないのだから。

有賀の荷物の中にあった果物ナイフが上着のポケットに入っている。
その武器がいつか血に染まることがあるかもしれない。
おそらく…、日がたつにつれ、禁止エリアは拡大し、逃げ場は少なくなっていくのだろう。
そして、…その時出会うは猛者…。一日でも長く生き延びてきた突破者っ…!
仲間になってくれるとは限らない。有賀のような者と、これから先何人遭遇するか知れぬ。
だから、覚悟を決めなければ。自身の目的のため…。主催者との戦い、圧倒的勝利っ…!その末に、
『少しでも多くの人間が生き残る』ために…!

ふと胸騒ぎがした。気配。
茂みからアトラクションゾーンの方向に目をやった。

人だ。
アトラクションゾーンの大通りを歩いている…!
カイジは目を瞠った。

人が歩く、そのこと自体は本来、全く驚くに値しないこと。問題は、どのように歩いているのか、だ。
その人物は、『無造作に』歩いていた。
月光を浴び、大通りの中央を堂々と。いつどこから狙撃されてもおかしくない、このゲームの中で。
一瞬頭がおかしいのかと疑った。もしくは、投げやりになっているのかと。
…だが、そういう風には見えない。否、少しぶっ飛んでいるのは間違いがないが、ただ壊れているという感じがしない。何かが違う。
なんというか…、元々こういうゲームの中に身をおいて生活してきたような…、
殺されるかも知れぬという状況が最早日常になっている、そんな風に見えた。
参加する以前から、『すでに覚悟を決めている』、…そんな風に。

***3

「カイジ君、あれ…」
沙織も気がつき、カイジに囁いた。

「赤木しげるじゃない?今度こそ本物の…」
そう言われてようやく気がついた。年恰好、白い髪。むしろ何故気づかなかったのか。
…写真ではわからない、独特の雰囲気があった。生身の「本物」には。

「……危険人物…、第一級の…」
沙織が小さくつぶやく。
「……ああ、でも……」
二人は茂みに隠れたまま顔を見合わせた。
沙織も困惑したようにカイジを見、また赤木のほうに目を向ける。
有賀のようなマーダーを想像していたのだ。若しくは知性を以って人を見下す利根川や一条のような。

ふ、と赤木しげるの横顔がこちらを向いた。
「…!」

目が合った。互いにだいぶ距離があったが、はっきりとわかった。
合ったにもかかわらず、赤木は僅かに目を細めただけで、何事もなかったかのようにまた前を向き真っ直ぐに歩き出した。
しばらく呆然として赤木の背中を見送っていたカイジだが、ハッと我に返り、次の瞬間には茂みから飛び出していた。
沙織が制止しようとする暇もなかった。
遠くから狙撃される危険を警戒することも、足の痛みも、その一瞬だけ忘れた。

「ま…、待ってくれ…!」
赤木しげるの背中に声をかけた。赤木は立ち止まり、ゆっくりとこちらを向いた。

「アンタ、赤木…、赤木しげるだろっ…!」
アカギは答えない。沈黙は肯定だった。

***4

「…あの、」
何を言えばいいのか迷った。
『大通りの真ん中を歩いていたら危ない』と言おうかとも思ったが、そんなこと本人が一番分かっているだろう。
無造作に歩いているように見えて、気を緩めてはいない。だからこそ、遠くで様子を伺うこっちの気配に気がついたのだから。
偶然などではない…

「……あの…、仲間になってくれないか?」
やや上ずった声で、単刀直入に言った。

「断る」
アカギはあっさり言い放った。
「…そうか」
カイジは一瞬固まったが、ふっと小さく息をついた。その顔にさほど落胆の色は見えなかった。
「……そんな気がした」
その言葉に、アカギは僅かに口の端を持ち上げた。

「だが、取引ならいい」
「…取引?」
「アンタには聞きたいことが山ほどあるんだ」
「……あ?」
その言葉にカイジは驚いた。

「……知ってるのか、オレの事っ…?」
「いや、全然…。ただ、アンタ、開会式で目立ってたんで憶えていた」
「………でも、じゃあ何を聞くことがあるってん…」
「アンタ、初めてじゃないだろう、こういうの」



カイジは目を見開いた。
「…なんでそう思う…?」

***5

アカギは語りだした。
「理由は…このゲームの幕開け…開会式での一件だ…。
一人の男の首輪が爆発した…あの時だ。首輪が爆発する『前』に、アンタ、何かを察していただろう」
「…………?」

「オレは、首輪が爆発するまで、予感はしたものの、何が起こるかまでは正確な予想はできなかった。
おそらくあの場にいた大半がそのはずだ。
アンタがあの山口という男の発言を制止しようとしたとき…。ただ単に、奴ら…主催の機嫌を損ねるのは得策じゃない、穏便に、
なんて理由で山口を止めにかかっていたわけじゃあなかった…。
今この瞬間にも、危害を加えられる…あっさり殺される、こいつらはそれくらいやる…そういう確信があったんじゃないか…?
だから焦り、慌てて止めようとした。
主催から『皆様に殺し合いをしていただきます』などと宣言されたばかりで…
参加者の大勢が面食らい、また緊張し、呆然としていたあの時に。」
「……………」

「……そして、あの場にいた参加者の数名は、首輪が爆破した山口を見ても驚愕の色を見せなかった。
おそらくそいつらは関係者…。何をやらかして参加者に落とされているのかは知らないが、
元々は主催の組織の内部にいた者…。
だから、主催の人殺し…、それを見ても動じなかったんだ。
だが、アンタは別…、おそらく、今までも『関係者』でなく『参加者』…、理不尽を強いられる側だったはず…。」
「……………」

「だからあの涙…。
混乱と不安と焦燥の中、大勢が固まったまま動けない中、死ぬ者を見て同情する『余裕』すらあったのは、
以前にも同じような状況で、同じ立場のものが殺されるという経験があったから…。違うかい」

***6


木の葉が揺れる。


     ざわ…
              ざわ…


胸の奥がざわめく。


           ざわ…
                    ざわ…


  ざざざ…



「……で、取引と言うのは」
「ちょっと待ってくれ」
カイジが遮った。

「アンタは…? アカギ…アンタは……、『何』なんだ……?」
「………何と答えれば満足だ?」
「………。 どっちだ?」
「どちらでもないさ」
「…でも、『向かう先』は同じだろう……」
「何だ…。分かってるんじゃねえか」
アカギは薄く笑う。その人を食ったような態度が腹立だしい。思わず舌打ちする。

***7

「チッ………取引って…何だよ?」
「…オレが欲しいのは情報…。アンタの持つ情報…。」
「………勿体つけて、単に情報交換したいって話かよっ…」
「いや、取引だ。だからアンタからも要求すればいい」
「……………要求なら、オレはもう言ってる」
「そう。わかった」

アカギがあっさりと言い、カイジはますます憮然とした表情をつくる。
「何だよアンタ…断ったり、承諾してみたりよっ…!」
「取引としてならいい。だが、別行動が前提だ」

カイジはその言葉を聞いて、急にニヤリと笑う。
「それで構わねえさ。別に同行してくれなくったっていい。そっちにはそっちの都合があるだろうしな…!
というかアンタと一緒に行動したらこっちが落ち着かねえ、誰かに狙撃される前に、胃に穴が開くっ…!」
「ククク…」
カイジの歯に衣着せぬ物言いに、アカギは思わず笑った。
「……とりあえず、ここから移動しねえか?こんな目立つところで立ち話もなんだろ…」



アトラクションゾーンの大通りから少し離れた茂みの中。
カイジは、アカギと沙織に今までの経験を、淡々と話した。
借金を背負わされ、闇金融から怪しげな船を紹介されたところから…。できるだけ客観的に、経緯のみを伝えるように…。
それでも、裏切られたことや、大勢の人間が死ぬ様を見たことを話すときには声が震えた。

考えてみれば、今までこんな話を誰かにしたことはなかった。
あまり思い出したくないことでもあり、荒唐無稽すぎて誰も信じてくれないだろうとも思っていたからであるが…。
……それでも、本当は、誰かに話したかったのかも知れない。オレの血肉、オレの歴史…。

***8

「……Eカード」
ずっと沈黙したままだったアカギが、ふとつぶやいた。

「ああ、それは『皇帝』『市民』『奴隷』の三つの絵柄が描かれたカードを使って…」
「それは、こんなカードかい…?」
アカギは、懐からEカードを取り出した。
「これ、どこで…」
「なに…島に点在するギャンブルルーム、その一つから頂いてきたのさ」
「へえ…、ギャンブルルームにはこんなカードまで置いてるのか…。
……なら、変な針のついた拘束具みたいなモンも置いてあったか?」
「いや…。何だい、それ」
「さっき話しただろ…、耳を賭けさせられたって。形としてはこんな…」

カイジは首輪を指差しかけ、ふと言い淀んだ。
ふと、上着のポケットを探る。取り出したのは、少し縒れた紙切れ。
以前、首輪について思いついたことを書き、沙織に見せたメモ。
その紙切れをアカギに渡す。アカギはそれに目を走らせた。

「…ふうん、なるほど」
アカギはその紙切れを懐に仕舞いこんだ。

「役に立つか?それ…」
「ああ…」
アカギは短く言った。

***9

アカギに参加者名簿を見せ、危険人物や、知り合いに関する情報を交換した後、アカギは去っていった。
カイジはその後姿を、完全に闇に溶け込み同化するまで見ていた。

アカギは最後に、こう書かれたメモを残していった。
……『もし再び会うことがあれば、それはきっとこのゲームが幕を開けた最初の場所でだ』と。
カイジはそのメモをポケットから取り出し、反芻した。この言葉が持つ意味…、それは、とどのつまり…

「…………カイジ君」
沙織が少し咎めるような声を出す。
「……はい」
ばつの悪そうな顔で返事をするカイジ。

「無茶しないって言ったわよね?もう…急に飛び出すなんて…」
「…………目が合ったんだ」
「………」
「アカギが振り向いた。こちらに敵意がないと感じて、そのまま行こうとした。
つまり、それは向こうにも敵意がないってことだ」
「……………そんなの、わかる訳ないじゃない。結果的にうまくいったからって…」
沙織はため息をついた。

(……………そうでもない)
不思議な感覚だった。
命懸けの勝負で、ギリギリまで張り詰めている時なら、感じることはあった。
敵…戦っている相手の感情…思考…。それを読もうとして…観察して…対峙して、ふと感じるもの。
だが、ただ歩いている人間に対して……

(……………もしかして)
あの男は、常にそんな感覚を身に纏っているのだろうか。

***10



月。 満月。
光は降り注ぎ、木々の下に影を作る。
月明かりの中、深い静寂の中、恐れることなく、物陰に隠れようともせず、大通りを堂々と歩く一人の男。
沈黙。時折、微かに風が葉を揺する音。

アカギはふと、空を仰ぐ。
じきに、時は満ちる。
だが今は、昼間の月のように静かに、密かに行動する。自身の目的のため…。主催者との戦い、圧倒的勝負っ…!
『全てを燃やし尽くすような業火の中に、この身を躍らせる』ために…!

さっきの男。
思っていたよりも面白い奴だった。だが、相容れない。
向かう先が同じでも、性質は全くの逆…。光と闇。

(だが、それでいい。同じである必要などない)
アカギの死生観。
生と死は表裏一体ではない、という考えと同じく、光と闇も、繋がっている。同一線上にある。

奴は、仲間を集めて集団で主催と対峙するつもりなのだろう。
だからオレに名簿を見せてきた。参加者の情報を集めるために。

そして、オレの戦略は逆…。一人、主催の内部に潜り込む……。
主催の思惑の外からの攻撃…。別領域からの刃…!

***11

【D-3/アトラクションゾーン/夜】
【赤木しげる】
 [状態]:健康
 [道具]:五億円の偽札 不明支給品0~2(確認済み)支給品一式
 [所持金]:600万円
 [思考]:もう一つのギャンブルとして主催者を殺す。死体を捜して首輪を調べる。首輪をはずして主催者側に潜り込む。

※主催者はD-4のホテルにいると狙いをつけています。
※五億円の偽札
五億円分の新聞紙の束がジェラルミンケースに詰められています。
一番上は精巧なカラーコピーになっており、手に取らない限り判別は難しいです。
※2日目夕方にE-4にて平井銀二と再会する約束をしました。
※鷲巣巌を手札として入手。回数は有限で協力を得られる。(回数はアカギと鷲巣のみが知っています)
※鷲巣巌に100万分の貸し。
※鷲巣巌と第二回放送の前に病院前で合流する約束をしました。
※首輪に関する情報(但しまだ推測の域を出ない)が書かれたメモをカイジから貰いました。
※参加者名簿を見たため、また、カイジから聞いた情報により、
帝愛関係者(危険人物)、また過去に帝愛の行ったゲームの参加者の顔と名前を把握しています。
※過去に主催者が開催したゲームを知る者、その参加者との接触を最優先に考えています。
 接触後、情報を引き出せない様ならば偽札を使用。
 それでも駄目ならばギャンブルでの実力行使に出るつもりです。
※危険人物でも優秀な相手ならば、ギャンブルで勝利して味方につけようと考えています。
※カイジを、別行動をとる条件で味方にしました。

***12

【D-3/アトラクションゾーン沿いの林/夜】

【伊藤開司】
 [状態]:足を負傷 (左足に二箇所)
 [道具]:支給品一式×2、果物ナイフ、ボウガン、ボウガンの矢(残り十本)
 [所持金]:1000万円
 [思考]:身を隠せる場所を探す 仲間を集め、このギャンブルを潰す 森田鉄雄を捜す
      一条、利根川幸雄、兵藤和也、鷲巣巌に警戒
      赤木しげる(19)から聞いた情報を元に、アカギの知り合いを捜し出し、仲間にする
※平山に利根川への伝言を頼みました。
※2日後の夜、発電所で利根川と会う予定です。
※アカギのメモから、主催者はD-4のホテルにいるらしいと察しています。
※アカギを、別行動をとる条件で仲間にしました。

【田中沙織】
 [状態]:健康
 [道具]:支給品一式(ペン以外)、サブマシンガンウージー 防弾ヘルメット、参加者名簿
 [所持金]:7800万円
 [思考]:カイジの足の手当てができる場所を探す 仲間を集める 森田鉄雄を捜す
      一条、利根川幸雄、兵藤和也、鷲巣巌に警戒

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